視界のすべてを、境目のない温かな金色の発光が満たしており、それ自体がヒッグス場の背景として空間を構成しているように見える。左奥からは、濃い橙色のかたまりとして現れたトップクォークがゆっくりと進み、その後ろにごく浅いえくぼ状の跡を引きずって、媒質そのものをわずかにたわませている。対照的に、反対側から走る光子は白銀の細い筋として鋭く横切るだけで、金色の海面をかすりもしない。質量をもつ粒子はこの場にまとわりつかれて重く、無質量の粒子は何の抵抗も受けずに通り抜ける、その差異が、静かな宇宙の深奥を前にしているような没入感として立ち上がる。