花崗岩下の夜明け滑走
Flatworms

花崗岩下の夜明け滑走

花崗岩の岩盤の裏側に張りつくようにして見上げると、珪藻類の薄い群落が岩の鉱物面を覆い、オリーブ色と金緑色と淡い黄土色のモザイクが天井のように広がっている。その生きた絨毯の上を、三匹のドゥゲシア・プラナリアが粘液の薄膜を纏いながら静かに滑り進み、灰褐色と深い琥珀色に沈んだ扁平な体は、上方の水柱から回り込んでくる青緑の散乱光を背に受け、縁だけが煙を透かしたガラスのように仄かに輝いている。それぞれの体内では腸管の分枝が嵐雲のように透けて見え、前端に対をなす漆黒の眼点が、花崗岩の長石と石英の結晶境界が放つ微かな虹色の反射の中で鋭く光る。体の後方に引かれた粘液の痕跡は、光を銀の細糸のように散乱させながら珪藻マットの上にわずかに浮き上がり、動物が這い進むたびに更新され続ける分子接着の軌跡を描いている。遠い水中には、カゲロウの幼虫が焦点を結ばない琥珀色の光の塊として漂い、この岩盤下の閉ざされた空間が、冷たく湿った別の宇宙であることを静かに証している。

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