咽頭が赤い虫を捕食
Flatworms

咽頭が赤い虫を捕食

泥底に額を押しつけるようにして見上げると、ドゥゲシア(コウガイビル近縁の淡水プラナリア)の腹面が空を覆う生きた天蓋のように広がり、その半透明な肉体は腸管の樹枝状分岐を琥珀色のステンドグラスとして透かしながら、緑がかった水中光を内側から滲ませている。視野の中心では、体長20ミリメートルのこの生物にとっては体全体の運命を賭けた一撃ともいえる咽頭の外反が、肉厚の筋肉質な円柱として降下し、レンガ色のミミズ管(イトミミズ属)の体表に吸盤状の縁を密着させている。その接触点を起点に、圧縮された泥の表面からは放射状の微細な波紋が広がり、浮き上がった沈泥粒子が頭上の拡散光を受けて琥珀の火花のようにゆっくりと水柱の中を漂う。咽頭は独立した筋肉器官であり、口腔を持たない扁形動物が獲物を体外消化するための管として進化的に特殊化した構造で、その白みがかったピンク色だけがこの暗い緑褐色の世界の中で際立った光源となっている。この砂粒一粒ほどの視点からすれば、消化と捕食という瞬時の生理現象が、まるで巨大な構造物の崩壊にも似た地質学的スケールの出来事として眼前に展開している。

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