原子の間の真空泡
Electrons

原子の間の真空泡

浮かぶのは、原子核からわずか三オングストロームほど離れた純粋な真空のただ中で、深いサファイア黒の海のように見える量子の闇です。その闇は空っぽではなく、仮想粒子対の出現と消滅が織りなす極微のきらめきで満ちており、赤とシアンの点滅がゼプト秒にも満たない速さで生まれては消えて、黒い空気に微細な粒状の生気を与えています。遠く左右の地平には、温かな琥珀色の確率雲がぼんやりと浮かび、まるで宇宙の彼方にある惑星のように、電子場の存在確率や電磁場の密度が濃い領域を示しています。ここでは表面も床もなく、見えるものすべてが場と揺らぎでできた空間そのもので、静寂の中にだけ、物質が現れては消える根源的な鼓動が感じられます。

Other languages